「FLOWER series」No.10

「花に翡翠」の一部 

(はなにかわせみ)

歌川広重 1830年頃

歌川広重さんの薔薇(ばら)です。古く「万葉集」の茨(うばら)や「源氏物語」などの中にも棘のある美しい花として登場します。広重さんはあえて藍刷りで、野の花として描いています。この「藍色」は、ジャパンブルー、ヒロシゲブルーとも呼ばれ、元はドイツ・ベルリンで開発されたベロ藍(ベルリン藍がなまったもの)で、その使用発展に平賀源内さんや伊藤若冲さんも関係していたと言われる世界に愛されている日本の色です。